パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

チーズフォンデュ/チューリッヒ fondue

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東京でも毎日寒い日が続きますね!
こんな日はぜひともチーズフォンデュ
 
 
 
これは昨年11月、スイスに行った時のことを思い出して書いています。
 
この日はチューリッヒ芸術大学での講演を終えて、明日はパリに戻るという前の夜で、完全リラックスモードに入っていました。
 
 
カンファレンスのアテンドをしてくれたHAYAさんが
「さとりさん、最後の夜に何か食べたいものはありますか?」
とお誘いしてくれたので、二つ返事で
 
「スイスときたらフォンデュでしょう!!」
 
 
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ここは、チューリッヒのHardorucke駅から歩いて1分、アップサイクルのメッセンジャーバッグ「フレイターグ」のビルの横広場にあります。
 
焚火ありイルミネーションあり、若い人がワイワイしていて活気があります。まるで文化祭に来たような雰囲気の屋台村です。
 
 
スイスは11月でもかなり寒く、コートの襟を立てマフラーをぐるぐる巻いて行きました。
 
 
 
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このお店はとても人気があり、遅い時間は予約がいっぱいということで、開店直後に入りました。この時期のスイスは5時に日没で、6時にはもうすっかりディナーの気分です。
 
 
お店はゲル(パオ)というのでしょうか、丸いテントのような作りです。
 
玄関から、テントの入口の毛布のような幕をあけて入ると、中はストーブの火がおこってとても暖か。強いチーズの匂いが充満しています。
 
思わずおなかがぐうとなります。
 
 
 
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こんな風に長椅子に薄いクッションを敷いただけの簡単なテーブルに差し向かいで座ります
 
オーダーを待つ間、「パンをチーズに落としたら罰として歌を歌うんですよねー」などと軽口を叩くのはすでにワクワク気分だから。
 
 
 
 
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ここはフォンデュ専門店なので、あれこれ頼まず、おすすめの冷たい白ワインと、トリュフ入りのチーズフォンデュをオーダーします。
 
 
エプロンをつけた若いお兄さんがさっそうと、プツプツと泡立つ鍋を持ってきました。テーブルの上にトリュフの香りがフワーっと広がります。
 
長いフォークの先にバゲットを挿して、熱く溶けたチーズをグルグル混ぜながらからめると、さらに風味が強く香り立ちます。
 
「ファッフハッフ!」
 
と、いいながらほおばれば、菌糸系ウッディパウダリーのマシュルームノートがついた、アニマリックでストロングなチーズの匂いとこっくりした味わいです。
 
与一、「うーん、ハイジの森の香りでやす!(ラクレットじゃないけどね)」
 
 
そして、フルーティだけど甘みとコクもあってしっかりした、少し影のある冷えた白ワインをひとくち飲み、そしてチーズ、もう一回チーズのワルツが、「ズンチャッチャ」とエンドレスに続きます。

ようやく鍋の底が見えてくると、チーズは煮詰まって、香ばしくなってきました。
 
合いの手でつまむ、シンプルなピクルスの酸味がお口の中をさっぱりさせてくれます。
 
 
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酔いしれるのは、アルコール度数のせいだけではないでしょう。講演のための長いプレッシャーから解放され、達成感をかみしめている表情です。
 
 
 
・・・というのはいっとき、まあ難問は次々とやってくるもの。嬉しそうなこの写真を見ながら呟く
 
「また、あったかいフォンデュ食べたいなあ。。。。」
 
 
お店は↓
 
 
 
 
 
チューリッヒにて講演を行いました。
スイスのチューリッヒ芸術大学が主催する「Perfumative」にて講演を行いました!大沢のテーマは『日本文化の香りと感覚』。日本の皆さま自身にも、「香り」について考えていただくきっかけになるのではないでしょうか。
 
Satori Osawa gave a lecture at the Symposium 'The Perfumative - Parfum in Art and Design' organized by the Zurich University of the Arts.  The title of the lecture was 'Scent and Sense in Japanese Culture'. 
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