「やたっ!誰もいない!」
新宿御苑もこんな寒い冬の朝は、本当に誰もいない。
ここは、フランス式整形庭園の、プラタナス(スズカケノキ)の並木。
この並木は、夏は緑が美しいが、向かう道は砂埃と熱気で陽炎がたつほどで、なかなかベンチまでたどりつく元気がない。
秋になると、枯れ葉と柔らかい日差しがとても気持ちよくて、ぼんやり座ると猫になったような気分だ。
今はもう、枯れ葉もないくらい冬全開だ。こんなベンチに座ったら、おしりが冷たソー。
昔の懐かしい歌を思い出す。「プラタナスの枯れ葉舞う冬の道~♪」
「人は誰もただひとり、旅に出て~人は誰もふるさとを振り返る、ちょっぴりさびしくて~振り返っても、そこにはただ風が吹いているだけ~」いい歌だったな~。(スラスラ出てきて我ながらびっくり)
だれだっけ?フォークルセダース?はしだのりひこ?
パリのルーブル宮殿の近く、パレロワイヤルにもきれいな並木道があって、そこはユリノキだったと思うんだよね。それで、ここフランス式庭園と言うので、ずっと、なんとなくユリノキ並木だと信じ込んでいたのだが、よくみれば幹がまだらで、これはプラタナスだった。
これはまた、老いたプラタナスの木。アメリカスズカケノキと間種なんだって。
幹が松みたいに、曲がってしまっている。
丸い実がまだ、残っている。鈴を掛けたようだから、スズカケノキという。
向こうにドコモビルが見える。初めはひとりじめでルンルンだったが、だんだん淋しくなってきた。寒いし。もう帰ろう・・・。
新宿で最も人口密度が低い場所じゃないだろうか。冬の朝の新宿御苑は。
▶ 植物図鑑 プラタナス スズカケノキ科スズカケノキ属 学名:Platanus L