この櫛(くし)は祖母のもので、明治か大正のものらしい。
べっ甲に「貝合わせ」の柄の、金蒔絵がしてある小ぶりの櫛。
8.5センチの見た目は小さく、櫛だけで見ると地味なので、今まで使うことがなかったのだが、思いついて巻いた髪の根元に挿してみた。
髪に挿すと思いのほか大きく、派手に見える。
櫛の歯が細かいのが、かえって髪から抜けにくくおさまりが良い。
櫛の歯が細かいのが、かえって髪から抜けにくくおさまりが良い。
櫛や簪(かんざし)は、どことなく女性の念(ねん)がこもっているようで、誰のものかわからないアンティークはつける気にならないものである。
これは父方の祖母のものだから、母にとっては姑(しゅうとめ)のもの。
姑の形見として、母が引き出しにしまったままだったものを、父の死後、私がもらった。
姑の形見として、母が引き出しにしまったままだったものを、父の死後、私がもらった。
私にとっては血の繋がった祖母だから良いだろう、そう母は思ったようである。
着物の柄も「貝合わせ」。
若い頃に作ったのでちょっと派手かも。