パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

イランイラン,Ylang ylang, Cananga odorata

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イランイラン,Ylang ylang, Cananga odorata

 
家で香料植物を育てている生徒のMさんが、家からイランイランの花を持ってきてくれた。
 
前からイランイランの鉢があると聞いていたのだが、開花と教室に来るタイミングがあって、今回の対面となった。
 
 
Mさんのイランイランはまだ小さな鉢でたくさんは咲かないが、花によって匂いの個体差がとてもあるという。
 
「小さな緑色のイランイランの花はキュウリの匂いがしている。やがて、ゆっくりと花びらを伸ばし黄色くなっていく。しかし上手に花びらが伸びないものもある。よく育って熟れた花のなかには甘い香りになるものもある。一方で育ってもいつまでも青臭い匂いのままのものもある」そうだ。
 
写真のイランイランは大きくなった花を摘んできてくれたものだが、暑さのため、スクールに持ってくる間にかなりくったりとしてしまった。
 
 
この摘んだ花の香りは、少し甘いフローラル感があるが、むしろグリーンで、スパイシー、ユゲノール(Eugenol)とか、 もそっとしたグアイヤックウッド(Guaiac wood) のような、そしてかさかさした煮干のような匂いがする。
 
木が若いからかもしれない。
 
 
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イランイランの香料は、花を水蒸気蒸留して得られる。少ないが溶剤抽出もあり緑色。
非常に強いフローラルで残香もある。 
 
サンダルウッドやオポポナクスなどのウッディ、バルサム、レジンや、チュベローズ、ガーデニアベースなど、甘く重い香料とともにオリエンタル系によく使用される。
 
シャネルの5番はアルデヒドタイプだが、イランイランを効果的に使用したことで有名である。
 
 
 
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' ylang-ylang un parfum de subtil' (T.f.Aromatique et Arco- Charabot-大型写真本)
 
 
原産はフィリピン、マニラ、マダガスカル、ユニオン島、主産地は東南アジアである。
 
20メートルにもなる高い木には、黄色い花が房下がるように咲く。しかしプランテーションでは、花を摘みやすいように低く仕立てられる。イメージとしては、ワイナリーのブドウ畑のように整然と木が並ぶ。
 
2年ほどで初めての花が咲き、4-5年して採取できるようになる。180センチになったところで摘芯して、背が高くなり過ぎない様にする。病気や害虫被害もなく、長寿な木で樹齢70年のものもある。
 
 
イランイランの花びらははじめ小さく、緑色をしている。4から8センチ、成長が終わる頃には黄色くなり、強い香りを発する。早朝から午前9時まで、採り入れは大勢で、黄色くなった花だけを摘む。女性と子供の仕事である。
 
この古い写真集では、褐色の肌をした女性が、頭に大きな籠を載せ、収穫した花を工場に運んでいる。(このような頭に荷物を載せて運ぶ女性の姿は「大原女」や「大島のあんこ」の他、インドや東南アジアなど世界中でみられる。)
屋根だけの簡素な工場では窯が焚かれ、上半身裸の男性たちが、蒸し器の中にイランの花を投入している。
 
抽出は20時間前後かけて行い、最初の2時間で採れたのをイランイランエクストラ(Extra)と呼び、高級な香水などに用いられる。その後はFast(1時間)、Second(6時間)、Third(最後まで)とグレードは4つに分類される。
 
 
 
イランイランというのはマレー語の「花の中の花」という意味。ジャスミン調のフローラルから、「貧乏人のジャスミン」などという不名誉な名前が付けられたこともある。ジャスミンに比較すれば安価ではあるものの、天然香料全体から見ればけして安くはない。
 
 
学名 CANANNGA ODORATA  バンレイシ科カナンガ属
 
 
 
'L' ylang-ylang un parfum de subtil' (T.f.Aromatique et Arco- Charabot)-大型本より
 
 

 

 

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