パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ハナヒラク、Hana Hiraku⑤ ,処方と香料absolute&essその1

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「ハナヒラク」はホワイトフローラルのこっくりとしたラクトニックな香りと、フルーティな甘さ、味噌や醤油の鹹(しおから)さとドライなアニマルノートが骨格になっている。
 
この不思議な香りを心地よく表現するために、天然の花の香料を、種類も量も贅沢(ぜいたく)に使った。
 
ジャスミン(jasmine abs.)、マグノリア(magnolia oil)、チュベローズ(Tuberose abs.)、イランイラン(ylangylang oil)や、カモミールブルー(chamomile blue )、イリス(Iris butter)、ローズ(Rose ess)など。
 
 
 
本来、天然香料は、入れるほど良いというわけじゃない。
すべてが天然香料では表現の幅は狭く、野暮ったくなる。
 
過不足なく、、、最適なバランス、組み合わせが大切なのだ。
 
天然香料は、単品香料のストレートな強さを柔らかくまとめたり、
重ためなオリエンタルを軽やかに品よく立たせる力がある。
 
 
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ハナヒラクの主要なイメージ、マグノリアモクレン木蓮、木蘭)の仲間の花は、少しずつ異なるものの、どれも強い香りがする。
 
 
ざっと上げると、コブシ(写真上)、シデコブシハクモクレンモクレン、バナナの匂いのカラタネオガタマ、純白の大輪タイサンボク、オオヤマレンゲ、シャンパカ、そして1枚目の写真、マグノリア類で最も大きな花「朴の木(ほおのき)」がある。
 
 
 
131205シャンパカ.jpg
 
ハナヒラクでも使われているマグノリアオイル。
上の写真は銀厚朴(ギンコウボク/Michelia ×alba )といい、マグノリアオイルはこの花から得られる。
 
モクレンオガタマノキ属の常緑高木で、ホワイトシャンパカとか、白玉蘭(ハクギョクラン)の別名もある。 
 
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香料になったマグノリアフラワーオイルは甘く、ブチブチと熟れて発酵したベリーのような香りがする。
天然の花の香料でフルーティ要素を持つものは珍しい。
 
 
熟れた果実のトップノートが終わると、すぐにセージのようなハーバルな香りが強くなり、この二つの取り合わせが妙な感じの香料だ。
 
また、caryophylleneの渋い枯れたウッディな匂いがする。
 
 
 
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主要なイメージのホワイトフローラルを作るのに、マグノリアオイルだけでは厚みやミルキーな滑らかさが表現できないので、「ハナヒラク」にはジャスミンabs.をたっぷりと、本当にたくさん使った。
 
この天然ジャスミンは、雑味がなくきれいな匂いたち。
 
そしてチュベローズ、イランイランを加えコクを出している。
 
 
 
ホワイトフローラルタイプは、夏や南国を思わせる花の香調ではあるが、日本では秋から冬にかけて肌につけると、とてもきれいに香ると思う。
 
 

 

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