Mizunara-ミズナラ- の名を呼べば
名前を知らなければただのゆきずり。名を呼ぶことで、その植物となじみになる。 調べるほどに縁ができていく。
雑木林を歩けば、楢(ナラ)とか橅(ブナ)とか樫(カシ)とか椎(シイ)とか椚(クヌギ)とか、存在だけ感じているし、彼らに囲まれているということは、街の通行人を眺めるがごとくぼんやりと知っていた。
でもミズナラはもう、雑踏の誰かでも、背景の一部でもない。
会えば挨拶する、私のともだち。
馴染みになるってそういうことではないだろうか。