南仏のチュベローズ・polianthes tuberosa L.
テラスのチュベローズ
カンヌのアパルトマンについた時、1階のテラスの植木鉢に最後のチュベローズが咲いていました。
チュベローズは甘く濃厚な、肉厚の白い花の香りで、クリーミーなラクトニックでややゴムっぽい、ハムのコンソメのゼリー寄せのような塩っぽいにおいもします。
夏の暑い時期に嗅ぐと肉感的なのですが、ややひんやりとした空気のためか、この花はセンシュアルの際にいるような魅惑に満ちた香りです。
ジャルダンMIP/国際香水博物館庭園
そして、昨日からの続きになりますが、ジャルダンMIP/国際香水博物館庭園 (Les Jardins du MIP)でも咲き残りのチュベローズに会うことが出来ました。
最初はリフレッシュして気分よく庭園内を散策していたものの、曇天と風のせいでかなり寒くなってきました。
襟を立てながら、建物に向かって歩いていると、なにやら畑仕事をしている男性が見えます。
同行した由美さん、悦子さんが口々に「チュベローズじゃない?」といって近寄っていきました。
私も後からついていくと、来年のためにチュベローズの畑を手入れしているところでした。
まだ花を咲かせている球根から、無造作に折った1本をプレゼントしてくれました。
堀上げたチュベローズの球根が、バケツにたくさん入っています。来春まで冬眠ですね。
と、思ったら近くに止めてあった庭園用のカートにはさらにたくさんの球根が。
仕事とはいえ、こんなかわいい車で庭園内を走ったらとても楽しそう。
土に触れ、香りに包まれてするお仕事。
もちろんはたで見るより苦労も多いに違いありませんが、「花を咲かせる、庭を育てる」というミッションに携(たずさ)われるなんて、素敵すぎます!
手折って頂いたいたばかりのチュベローズ、つぼみがみっしりとついています。
天然香料(アブソリュード)の匂いとはかなり違って、花は柔らかく馥郁とクリーミーです。
さとり「まだつぼみながら良い匂いじゃ。」
与一「月下香というそうでやすから、夜はもっと香り立つのでやしょう」
チューベローズ :リュウゼツラン科 チューベローズ属 学名:polianthes tuberosa L.
バラ(ローズ)とは全く無関係で、リュウゼツラン亜科の球根草花です。
ハナヒラク・メイキングストーリー「処方と香調」
「匂いの帝王」が★★★★、世界のニューアコードベスト10入り!
パルファンサトリの香水のご紹介/マグノリアの白い花が、力強く香ります。ハナヒラク -Hana Hiraku-