パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

立冬、りっとう(Lìdōng, Rittō)

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 立冬、りっとう(Lìdōng, Rittō)

 
今日は立冬(りっとう)。二十四節気(せっき)の第19番目である。「初めて冬の気配が現われてくる日」というが、今日のこの暖かさはどうだろう。
 
それでもひとつの節目として、冬に備える心の準備を始められる。
 
 
茶道の世界では、立冬の頃に炉(ろ)を開くことが多い。また、春先に茶壺に詰めた茶葉をこのときに封を切ることから由来する『口切りの茶事』を行う。
 
「茶の正月」とも言われ、門口や露地(ろじ)の竹も青竹に新調するものだが、我が家ではそこまではせず、ただ亥(い)の子餅を食べ織部の茶碗を使うのみである。
 
亥の子もち、やわらかくて美味しい。ちなみに、2017年の亥の日は11月8日。
 
 
 
 
 
「11月には、茶碗だけでなく、香合でも、菓子器でも、何か織部のものを一ついれるといい」のだという。
 
お道具で重なるのは野暮だから、織部を複数使わないのは分かるけど、
「え、じゃあ、他の月は織部使わないの?」
と尋ねると、
 
「いやー、とにかく11月に使うといいということで、他の月に使ってはいけないかどうかはわからないし、今は年中、使うみたいだから。どうなんだろうねえ」
とはっきりしない。
 
はっきりしないが、どうも昔はそのように教わったらしい。
 
「11月は炉開き(ろびらき)があるけど、月の最初の亥(い)の日にするといいのよ、今はあんまりいわないけどね。猪は多産だから、縁起がよくて、それで、亥の子餅(いのこもち)を出すの」
 
亥の月(旧暦)の亥の日の亥の時間に、亥の子もちを食べる習慣は古く禁裏にもあって、源氏物語にも登場する。
 
 
 
 
 
 
 
 

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