パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

カシミアを編む② ケーブル編のニット帽 Cashmere 100

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昨日からのつづきであるが、


2014年の大晦日、家に帰って片付けもそぞろに、軽食を取って早速、毛糸を袋から取り出す。
イタリア製のカシミア100だけど、まあまあ。
というか、お店ではこれしか選択肢がなかったので。
 
編み物の本を開くも、おおよそのところを読んでまずは編み始める。
 
本当はゲージを取って、(10センチ角に何目何段あるか、自分の編み地のサイズを試し編みして計ること)、頭のサイズを計り、本の設計図を自分用に調整しなければならない。
最初の段取りが大切なのは、なんでも同じなのである。
 
「でも、ゴム編だから伸縮性があるし、帽子なんか多少大きくたっていいし。。。」
と、いつものようにぶっつけで事を進める。
 
毛糸を触っていると、色々と思い出すなあ。
 
10代のころ住んでいた六本木の家の近くに、石渡(いしわた)毛糸店というのがあって、ここは素敵な輸入毛糸がいろいろあった。
冬になるとどっさり毛糸を買いこんで、次々と編んだものである。
お店はビルに立て替えて縮小しているが、まだあるみたいだ。
 
こんどまた行ってみようかな・・・。
 
 
今回編むのは、すぐに完成しそうなケーブル編のニット帽。
このたびは輪針を使う。4本棒針とどっちにしようか迷ったのだけれど。
 
この帽子は160目を輪に作ってまっすぐ編んで、途中から減らし目をしていく。
作り目が結構大変だ。
なぜならば、10年前に比べて目が悪くなっているので、途中で何度も数えなおさないといけない。
この、最初のところで数を間違えると、始めから編みなおさなくちゃいけないから。。。
 
そうそう、本当はマーカーを買って、編みはじめや段ごとにしるしをつけるとよかったっけ。
久しぶりだからすごく忘れてるなあ。
しかたなくピンクの刺繍糸を代わりにする。
 
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そういえば、この最初の2目ゴム編。52段もあるよ。
 

延々とゴム編みを繰り返す。
これは結構、退屈なのである。
まるで、修行のようだ。
 
次の縄(なわ)編み部分は、この交差するところがすごく楽しくて、これは8目8段ひと模様なので変化があるのですごく楽しい。
だんだん模様の出来上がっていくのがすごく楽しい。
それに、上に行くほど編み目が減っていくので早く進んですごく楽しい。
 
と、ここまでくれば楽しいづくめなのだが。
 
 
 
「あツ!しまった!!」
 
だんだん目を減らすから、最後は4本棒針でなくちゃだめじゃん!
絞るとき、最後の輪が20目とか小さくなるから、輪針では広がりすぎてしまう。
 
ああ・・・そういえば、輪針って結構使える場面が限られていたっけ。
つい楽そうなものにフラフラとするのがいかん。
便利なものというのは、あんがい不便なものである。
 
そんなことも思い出すと同時に、今まで編んだセーターやカーデガンなどが走馬灯のように浮かぶのだった。
 
 
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晦日の晩に編んだところは20段ちょっと。
 
年が明け、ゆく年くる年も終わったところで初日は終わりにした。
そうだ、外れないようにゴムキャップもあった方がよかったなあ!
 
やっぱり、2日じゃ無理かしらね。元旦は出かけるし。
さて、この帽子、何日くらいで編めるだろうか。
 
 
③につづく
 
 
 

 

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