パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

カシミアを編む③ ケーブル編のニット帽 Cashmere 100

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カシミアを編む②・・・からのつづき。ようやく、長いゴム編の段が終わり、なわ編みが始まるところまで来た!
うれしー!!
 
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編み物って、この、徐々にできてくるところが楽しいんだよね。
このプロセスがいいのであるが、しかし、私はとにかくせっかちなので、早くそのプロセスのつづきを見たいがために、猛烈な速さで編む。
 
一つ縄ができると、次の縄がもう見たくて仕方がない。
そして一着が編みあがるともう次の作品が編みたくなってしまうのだった。
 
 
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友達に、編み物の上手な子がいて、よく泊まりに行って教えてもらったものである。
 
高校生の時は、ボーイフレンドに濃いグレーのなわ編みセーターをプレゼントしたこともある。
あまりに固く編みすぎて、出来上がりはすごく重かった。
まるで鎧(よろい)のようで、着ると腕が下がらないくらい。
 
当時、「結婚前にセーターをプレゼントすると別れる」というジンクスがあったのだが、
やっぱりそれからすぐ別れてしまった。
たぶん、その編んでもらう行為が、若い男の子には重かったんだろう。
 
マフラーくらいにしておくのがよいのだ。
 
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生成りのウールで、アラン模様の複雑なプルオーバー(セーター)を1週間で編んだこともある。(自慢)
ツリーオブライフとか、ポップルとか、アランハニカムとか、なわ編みを組み合わせるとすごく複雑な模様ができるが、その絵柄が少しずつできていくのが面白くて夢中で編んだ。
しかも高速。
 
アンゴラモヘアの白にパールビーズを散らし、ヨーク状に肩を減らし目したツインニットはお気に入り。フランスのファッション誌を見よう見まねで工作のように作った。
 
中でも、曾野綾子の「砂糖菓子が壊れるとき」という小説を読んだときは、主人公が来ていた「ピンクのキャンディみたいに見えるセーター」を想像し、ショッキングピンクのモヘアで何着も編んだりした。
 
 
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30数年前の写真を、探してみたらあった!
これがそのピンクのツインセット。
後ろのオーバーも濃いピンクで、このころはピンクばっかり。
 
 
編み込みもいいんだよね。糸が渡るのでとってもあたたかいの。
アルパカのグレーと茶色と生成りの3色で、5本指の手袋を編んだ。これは変化があってなかなか面白かった。
 
 
超極太で編んだ、カウチンセーターなんかは、あっという間にできた。

フランスの薄い雑誌には、ハイゲージで編んだ赤ちゃんのふわふわのドレスなんかあって、夢中になった。子供服は早く編みあがるし、すごく楽しい。
 
 
糸から染めて編んだこともある。
かせくり器というのがあって、玉巻器で糸を巻き取るの。
カラカラと回すと、なんだかグリム童話の世界にいるようで楽しかったな。
ああ、このブログで何回「楽しい」って言ったかな。
 
でも、家族のもの含めて、あんなに一生懸命作ったのに、昔の作品は何にも残っていない。
 
 
次は、カシミアのケーブル帽いよいよ完成形。
 
途中だけど、軽くて暖かくて、かなり期待が出来そうな帽子だ。
 
最終回に続く!
 
 
新年あけましておめでとうございます。
オンライン・ショッピングは新年は3日からの発送開始、サロンは1月5日からです。
今年もよろしくお願い致します。
 
 
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