パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

アンバーって何? Amber 龍涎香

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アンバーって何? Amber 龍涎香

アンバーの原料

アンバーグリスは、マッコウクジラから採られる、動物性の天然香料である。
茶色のイメージの、暗く重く、レザーの様な、オリエンタルタイプにはかかせない香調だ。

 

もともと、宝石の琥珀(コハク)のことをアンバー(amber)とよんでいた。

それが、香料の名前にもなったのは、アラビア語のアンブラ(梵香用樹脂)に由来すると言われる。

色はグレイから黒茶色で、琥珀と区別するために、アンバーグリス(灰色の琥珀)と呼ばれた。

 

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アンバーグリスは、マッコウクジラの病的な結石である。鯨はイカを常食とする。おそらく、イカのくちばし(トンビ)と呼ばれる部分が未消化になりやすく、それを核に結石をつくるらしい。

この結石は自然に排泄される場合もあるが、鯨が死んで、身体が腐り、この結石の部分は比重が小さい(水より軽い)ので、海上をプカプカと浮かぶ。そして数十年後にどこかの海岸へ流れ着く。太陽にさらされたそれは、flotteeといい、非常に良いものとされる。

たまたまできた結石が、偶然に流れ着くので、昔は希少性があり高価なものだった。

その後、鯨の油を灯火として使っていた時代や、食料とするために捕鯨をしていた時は、解体時にも得られただろう。

しかし今は、捕鯨禁止でほとんど天然のアンバーは入手できない。偶然に拾われるそのかわりに合成のアンバー系香料がたくさん出ている。

 

これから香料を生み出した最初の人はすごい。大砲の弾くらいの実物を見たことがあるが、そのものはひどい臭いがした。まだ、未熟なものだったのだろう。

しかし、アルコールでチンクシャー(浸出)にし、薄めて薄めていくといいにおいになるのは、ムスクと同じだ。

もうちょっと、書きたいのでまたあした・・・・。

 

 

 

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