パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

L'air du tamps 1948年 レールデュタン ニナリッチ 香水ランキング・FR-20

レールデュタンの2羽の鳩の香水瓶

L'air du tamp (レールデュタン)、「時の流れ」という名の香水。1948年

 

 

「2008年20位ランキング」フランスではこのレールが16位に入っていて、やっぱりいいですね。

やさしいフローラルは、なんといってもお母さんの香りのイメージ。しかし、香水の授業で大学生の生徒さんが「おばあちゃんの香りみたい」と言ったのにはガクーっときました。

 

まあ、それだけ昔から日本でも愛されていた香水。日本に持ち帰られる海外土産ナンバーワンでした。

でも、いまだにフランス16位に入っているというのはすごいですね。確かに、今風の香水から見れば少しクラッシックですが、香りのアコードは素晴らしい。

 

  ローズとジャスミンにイランイランのフローラルパートプラス、何といっても、スパイシーの所以はユゲノール(Eugenol)。クローブカーネーションを形作るこの甘くスパイシーな香りを、やさしいベンジルサリシレートでヴェールをかけたようにやわらげ、ムスクケトンの白粉っぽいパウダリーが暖かく包み込んでいます。

その後、このアイデアからたくさんの香水が生まれています。

ギラロッシュのフィジー(1966)年はムスクケトンとイソユゲノールのグリーンフローラルで、日本でとても受けた香水です。(私の母は40年使っています。)ヘベンサリ+ユゲノール+βヨノンのエタニティも流れをくんでいます。

 

 

ラリックボトル

ラリックの作である、2羽のハトの ボトルはあまりにも有名。中身が空になってもコレクションしている人は多いですね。

 

もともと宝飾師だったルネ・ラリックは、コティと組んで香水瓶を作り始め、ガラス工芸で有名になった人です。

しかし、マルク・ラリックの代になって、香水会社が節約をしだし、ボトルに高級品を使わなくなった時、ラリック社の経営も苦しくなっていきました。

ニナリッチの息子であるロベールリッチは、あえてラリックの香水瓶を使い、他ブランドとの差別化を図りました。

ブランドイメージを高めると同時に、フランスの伝統のある会社・ラリック社を援助したのです。

  

☆ 香水名   レールデュタン   (L'air du tamp)

☆ 発売年 1948

☆ 香調  フローラルスパイシー  

☆ パフューマー   フランシス・ファブロン(Francis Fablon)

☆ ブランド      ニナ・リッチ (NINA RICCI)

 

 

☆フランスのレディース ランキング11位から20位

11-パリ/YSL 12-JPGクラシック/ゴルチェ 13-トレゾワ/ランコム

14-ベリー イレジスティブル /ジバンシー 15-ブラックXSプールエル/パコ ラバンヌ

16-レールデュタン/ニナリッチ 17-ヒプノーズ/ ランコム

18-ミスディオールシェリディオール 19-アンジェ オ デモン 20-ココ/シャネル

 

 

写真はパルファンサトリ所贓品。

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