アンバーとは
龍涎香(りゅうぜんこう)の意味
アンバーは、中国では龍涎香(りゅうぜんこう)と呼ばれた。
龍の涎(よだれ)のように貴重である、という意味だ、と書いてある本がある。
また、ヨーロッパ人にその原料が何であるかを秘密にするために、貿易中継点であるアラビア人がミステリアスな物語を作ったという説もある。しかし、マルコポーロの東方見聞録では秘密はあかされていたようだ。
中世ヨーロッパではとても珍重された。
フランス、ベルサイユに活躍した3人の女性、マリー・アントワネット、ポンパドール夫人、マダム・ド・デュバリーのうち、デュバリー夫人が特に愛した香りだと伝えられている。
芳香宮ともよばれるベルサイユ宮殿は下水処理が整備されていなく、レディーたちもみな広大な庭で用を足した。入浴の習慣はない。香りを身につけるのはたしなみであり、必然であった。
ポムアンバー(琥珀色のリンゴ)
アラビアを経由して入ってきたアンバーは、練って丸めて紐をつけ、つりさげられるようにした。ドレスのペチコートの骨組みに、このアンバーを下げて香りをスカートの中に漂わせた。(当時はクジラのひげをカゴのように組んで、その上にスカートをはいた・・・らしい)
そののち、金銀でできた透かし細工の丸い球の中に「匂い玉」を入れ、装飾性を高めたものができた。淑女はドレスの外、ウエストのところに下げて飾りにしたり、手に持ったりした。時には海綿にオレンジの香りをしみこませたものを入れた。
これをポマンダーという。ポムはりんご、ポム・アンバーで琥珀色のリンゴという。
というのは私が昔、香料の歴史の本で読んだことで、一生懸命探したのだがどれが原点なのかわからず、記憶に頼っているので確かではない。
現在でも、オレンジに丁子(クローブ)をびっしり刺して、シナモンなどをまぶした「オレンジポマンダー」として名残を残している。
陶器のものもある。中にポプリなどを入れて室内に下げる。雑貨の店などで見つけることができる。
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