パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

サンダルウッド 白檀 sandalwood 香料

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サンダルウッド 白檀 sandalwood 香料

 

サンダルウッド(白檀)は香水のラストノートとして重要な素材である。
この木材の芯の部分を水蒸気蒸留して香料を得る。

 

サンダルウッドは東南アジアに生息する木で、他の植物に寄生して成長する。
成熟までは60年ほどかかり、木材から香料を得られるようになるまでに25年かかる。

 

木を採りつくしてしまうと次に成長して香料用になるまでに間があいてしまうので、保護が必要である。


サンダルウッドの天然香料は、インドのマイソール地方で採られるものが最高品質であるが、乱伐採のため激減してしまい、現在は政府の許可なく持ち出すことを禁じられている。

インドネシアスリランカ、オーストラリアなどでも採られるが、同じサンダルウッドでも香りには大きな違いがある。

 

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この上の写真はサンダルウッドの中心部分を削りだしたもの。

1枚目の写真は長さ30センチほどある原木。中心材の少し濃い茶の部分が左端から覗いている。

このように、外側は白っぽい色をしているが、中心部分が濃い茶色をしており、匂いはこの濃い茶の部分に多く含まれる。

全体からよい香りがしてくるが、特にこの中心部分を嗅ぐと、強い匂いを発しているのがわかる。

 

昔はこの原木を白アリに食べさせたそうである。
すると香料の多い中心部分だけが残り、採油しやすかったという。

 

良質なサンダルウッドの匂いは、ウッディノートというよりもむしろムスク、アンバー、パウダリー、フローラル・ノートで構成される。
ミルキーな甘さと艶があるがしつこくはない。

非常に残香性があり、ムエットにつけて置いておけば数日間匂いが残っている。

 

安いサンダルウッド系合成香料はたくさんあるが、この甘さとコクは天然香料にしか出せない。

また、天然でも粗悪なものはシダーウッドのようにガサガサといがらっぽく、材木っぽい。

 

 

サンダルウッドは香道で使う香木とは違うもの。

 

 

 

 

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