パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

バラの骨格

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バラの香りは、「バラ」という一つの香りでできているわけではありません。

 

たくさんの芳香物質(香りの成分)が合わさって、あのバラのにおいが出来ています。
ジャスミンも、オレンジも、ペパーミントも、天然の植物の香りは、全部そのように成り立っています。

たくさんの香りの成分は、同量づつ平均的に入っているのではなく、多いものから微量までいろいろです。その配合割合によって、特定の花らしさが出てきます。

バラの場合は、特に多く入っている成分が3種と、バラの特徴を出すものが1種の、4種類をある割合であわせると、バラらしい香りができます。これを、バラの骨格(ブロッキングマテリアル)といいます。

そのおもな成分、シトロネロール、ゲラニオール、Βフェニルエチルアルコールが花の香りの8割を占め、少量のユゲノールが甘さとスパイシー感を出しています。

そして残りの2割くらいに、数十本の香りが複雑に入って、さらに本物に近づいてきます。
あるものは10万分の1しか入らないのに、バラらしさを出すために大きく影響しています。

でも、まだ100%解明されていない部分もあり、残りのわずか1パーセントにもっとたくさんの成分が入っていると推測されています。

 

植物事典 バラ:バラ科 バラ属   Rosaceae

 

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