パルファンサトリの調香体験教室では、バラの香りを作ります。
『バラの香りは、「バラ」という一つの香りでできているわけではありません。
たくさんの芳香物質(香りの成分)が合わさって、あのバラのにおいが出来ています。
ジャスミンも、オレンジも、ペパーミントも、天然の植物の香りは、全部そのように成り立っています。
たくさんの香りの成分は、同量づつ平均的に入っているのではなく、多いものから微量までいろいろです。その配合割合によって、特定の花らしさが出てきます。
バラの場合は、特に多く入っている成分が3種と、バラの特徴を出すものが1種の、4種類をある割合であわせると、バラらしい香りができます。これを、バラの骨格(ブロッキングマテリアル)といいます。
そのおもな成分、シトロネロール、ゲラニオール、Βフェニルエチルアルコールが花の香りの8割を占め、少量のユゲノールが甘さとスパイシー感を出しています。
そして残りの2割くらいに、数十本の香りが複雑に入って、さらに本物に近づいてきます。
あるものは10万分の1しか入らないのに、バラらしさを出すために大きく影響しています。
でも、まだ100%解明されていない部分もあり、残りのわずか1パーセントにもっとたくさんの成分が入っていると推測されています。』 2009/3/16の記事 / バラの骨格から
体験講座では、このバラの中に入っている、ふだん嗅ぐことのできない成分を個別に鑑賞してみます。
そのあとで、その香りを処方箋に沿って合わせ、バラの香水を作ります。
作ったバラの香りは、写真の香水瓶に入れてお持ち帰りいただきます。
組み立ててみると、今まで一つだと思っていたバラの香りの中に、たくさんの表情が隠されていることがわかるでしょう。
こうして、中の香りを理解していくと、一般に売られている香水の中に、どんな花が入っているか、その花は何の香りでできているのかが、だんだんと見えてくるようになります。
もちろん、自分で香水を作るときにも、素材を知ることが大切です。
嗅いだ事のない匂いを合わせて、どんな香りになるか想像できませんよね。
食べたことのない素材で、お料理は作れませんし、語れません。
匂いを知っている人は、香りのグルメとも言えそうですね。