イソブチルキノリンは、ドライなウッディ、スモーキー、タバックの香気を持つ。
この香料は、1880年ころ発見された。1919年のキャロンの「タバブロン」、1924年のシャネル・「キュイドルシー」、1944年のロベルトピゲの「バンディ」に使用されている。 「アラミス」にも。
バンディ(悪党)は、この香料の苦さを強く出して成功した。
カボシャールは、それをもっとフローラルで女性的にやわらげた、シプレータイプの香水である。しかし、それでも今のトレンドの中ではかなりきつく感じられるだろう。
イソブチルキノリンだけを嗅ぐと、その個性にちょっとショックを受ける。しかし、強い香料は、これにかぎらず香水全体に主張と、メリハリと、パワーを出す。
少し前までは透明感のあるフルーティや、グルマン系と呼ばれるスイーツの香りが流行っていたので、イソブチルキノリンの様な苦く、煙がかった、アニマリックな香りは影をひそめていたが、このあたりの香調が、少しづつパリから復活しつつあるようだ。
やはり本当の香水好きには、ウッディやシプレーは永遠だ。
☆ 発売年 1958年
Isobutylquinoline (6-secondly-Butylquinoline)
写真はすべてパルファンサトリの所贓品です。