パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

紙巻煙草、香料からタバコの香水まで

タバックアブソリュードは今では希少なものとなています。タバコの葉の香料

tobacco absolute  香調

たばこの香りと言うと、紙巻き煙草

が燃える、いがらっぽい臭いのイメージがありますが香料は別物。渋みのある深い香りです。

 

タバックアブソリュード

(tobacco absolute)はウッディ・スモーキー・モッシーでやや甘く、ハニーグリーンの香り。ヘイ(干し草)と共通の乾いた暖かさがあります。

学名:nicotiana tabacum  

 

皇室よりご下賜の国産たばこは菊の紋章入り。

煙草のかおり

 

日本で栽培される煙草はごくわずか。専売のため、葉の枚数もきちんと管理されているそうです。大変質の良いものだそうですが、最終的意は海外のものと混ぜてしまうと聞きました。

 

20年ほど前に、皇居の催しにお招きされた方が御下賜された紙巻煙草。1本下さったのですが、私のノンスモーカーなので他の方に吸ってもらいました。味わいはすっきりとしてやんごとないお味がしたとか。

国産の葉を使い、菊の御紋が入っています。

 

南仏にある植物園の煙草の花。白くジャスミンの香りがする

この写真はハナタバコ。タバコは、ジャスミン調のよい香りで可憐な白い花を咲かせます。この写真はNicotiana sylvestris。

 

 

煙草の花はジャスミンの香りがします。南仏の植物園にて。

 

タバコの香水

煙草を主題にした名香もありました。

今では嫌われ者の感のある煙草ですが、映画や文学、写真でそのシーンを語るのに不可欠な文化だったと思います。

 

tabablond (ブロンド色の煙草)は、メンズよりに思えますが、発売当初はタバコを吸う女性へのオマージュだったそうです。

 

それを聞くだけで、タイトな女性が煙草を手に思いに耽る、セピア色の光景が目の前に浮かびます。

 

キャロンのタバブロン

 

メジャーな香水ではありませんが「シガリロ」は匂いがシトラスに振れていて、さわやか。苦いタバックの香りと相性がいい。「シガール」はもう少しタバックの甘みが強く渋さがあります。

 

 

 

写真:
タバコの花(Nicotiana sylvestris)/グラース国際香水博物館庭園  
タバコの花 新宿御苑
tabaccoの香料/パルファンサトリアトリエ 
タバコの香水 シガリロ         

 

#調香師のアトリエ
#香料原料植物
#パルファンサトリ
#parfumsatori

 

 

Copyright © PARFUM SATORI All Rights Reserved.