パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

東京とカンヌと大嵐,Storm,

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日本に台風が接近する中、今夜はてっきり大雨になると思い込んで早々に家に帰ることにした。
 
危機に備える本能であろうか、天気が悪いと甘いものが欲しくなるものである。
そう思って夜中に食べるべく、高カロリーのアップルパイを買ってきたというのに...。
 
天気予報を見れば東京に台風が来るのは11日の夜らしい。なーんだ。
 
とうとう静かな夜に終わったが、禁断のアップルパイは食べてしまった。

 
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私はスマホに防災速報のアプリを入れている。
地震情報と豪雨予報である。
 
地震情報は最近ではめったになることはないが、このところ豪雨予報が頻繁に鳴る。
 
 
集中的なゲリラ豪雨に備え、渋谷区と港区の地域を両方入れていて、さらに雨量を
 
「20mm/h~ 強い雨(どしゃぶり)」
「30mm/h~ 激しい雨(バケツをひっくり返したように降る)」
「50mm/h~ 非常に激しい雨(滝のように降る)」と
「80mm/h~ 猛烈な雨(息苦しくなるような圧迫感がある)」
 
の4段階で鳴るように設定している。
以前は千代田区も入れていたので、下手をすると短時間に12回も警報が鳴るのである。
 
昼間ならまだしも、夜中だとうるさくてたまらない。
 
こうして、あれこれ操作方法を試行錯誤しながら、千代田区の範囲は外し、雨量50mm以上に設定をし直し、警報音は最大でも4回まで、通知時間も朝7時から夜23時までとしたのである。
やれやれこれでゆっくり眠れる・・・。
 
 
 
しかし、まだ南仏にいた6月下旬の真夜中。日本とフランスでは7時間の時差がある。
時間のプログラムまでは思いが至らなかったので、(フランス未明3時が日本では午前10時)深い睡眠に入ったとき、時ならぬ警報音に飛び起きたのであった。
 
2つ目くらいの警報音ではっきり目が覚めて、3つ目くらいでスマホを見て、
 
『なに~?渋谷区で猛烈な雨~?ここはカンヌでしょ~! ( `´)ノ』
 
寝ぼけ眼(まなこ)で設定を直す間に4つ目がなった。
地球の反対側でも、この設定が有効だとは思わなかった。。
 
東京は124mm/h も降ったそうである。
 
 
 
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10日間ずっと天気だったカンヌは、6月24日の夜から不穏になり、翌25日未明に嵐となった。
眠っていると、瞼の向こうがあまりにもまぶしいので目が覚めた。
 
雷が鳴り、稲光(いなびかり)が同時に3つも4つも連続して光るので、あたりは真昼のように明るい。
海は鈍く光り、空はまったく暗くならない、それが2時間も続いた。
 
あまりの激しい気象にブラインドを閉めるのも忘れ、呆然と荒れる海を眺めていた。
 
夜が明けて、本当に空が明るくなってきた。
カモメがはばたかずに宙に浮かんでいる。
風が強いので、風上に頭をむけるだけで飛んでいられるのだ。
 
グラースでは川があふれ、3か月分の雨が一晩で降ったことを翌日知った。
 
 
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世界的に気象が激しくなっている。

日本の梅雨はもっとしとしとと降ったものだが。
 
気象が変われば、人の気性も変わり、文化も変わっていくのかもしれない。
朦朧(もうろう)として曖昧(あいまい)な日本。
旗色を鮮明にしない、それが日本あるだったのであるが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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