昭和39年、夢の超特急といわれる新幹線ができた。
私はまだ小さかったので、うまく口が回らなく、絵本をさして「ゆめのとうとっきゅー」と言っていたそうだ。
長いこと、兄は私の口をまねて「トウトッキュー、トウトッキュー」と、からかわれたのを覚えている。
小学校になって、家でお蚕(かいこ)さんを飼う実習があった。
白い蚕の観察をしていて、新幹線の顔に似ているなーと思ったものだ。
うちのL子ちゃんは、毛虫やいも虫系が大嫌い。
よそのブログで突然いもむしの写真のアップとか出てくると、びっくりするそうだ。
「そんなときは、毛虫じゃなくて新幹線だと思ったら?」と言ったら、
「絶対むり!無理です。さとりさん」
そりゃそうだ。
あれから半世紀近く、新幹線もずっとスタイルが変わった。
鼻が長く伸びて、スマートになった。
これは長野新幹線。
でも、私にとっての新幹線は、あの絵本の中の丸っこい顔のままだ。