パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

カンナ 夏休み 宿題

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どういうわけか、カンナは小学校を思い出させる花だ。夏の校庭に咲いていたからだろうか。

憂い(うれい)もはかなさもなく、やたら明るい花だった。切り花として家に飾られることもなく、ただ遠景の中にひときわ赤く、または鮮やかな黄色でそのありかを示していた。
そしてその連想が宿題につながるのはなぜだろう?
24時間全部自由時間という、夢のような天国のようなこどもの夏休み。その最後はいつも試練というイベントが待っている。その落差と強烈な花の印象が、意識されない感情と観念の複合体として焼き付いているのかもしれない。(ユング風に言ってみただけ)
絵日記は叔母が、作文は母がわざとへたくそに書いてくれた、(と思う。)そのまま出すわけにはいかないので、いちおう自筆で書く。手書きで写すとなれば結構大変だ。
ドリルは難敵だ。年の離れた兄たちがいて、いよいよとなると駆り出される。出た答えを単純に埋めていくだけでもそれなりの時間がかかる。
みんなが一生懸命やってくれている中、私はもう飽きてきちゃって、鉛筆をかじりながらゴロゴロしたり、アイスクリームを食べに行ったりして、「誰のためにやってると思っているの!」などとしかられてしまう。はぁあ。
これはどこの家でも見られる風物詩と言えるものだろう。何年ぶりかで見た今日のサザエさんでも、夏休みの宿題がテーマだった。
今夜は何十万世帯の家で子どもたちが宿題に追われているのだろうか?それとも今の子は塾に行ったりしているし、宿題事情は昔とは違うのかも?ネットがあるから一か月分のお天気調べるのも簡単だろうなー。
私は学校を卒業したとき、宿題がなくなって本当にうれしかった。8月の終わりはもう怖くない。
 しかし、仕事を始めてからは年中締め切りで、今はだれも助けてくれない。トホホ(古典的)

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