パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ラブダナム Labdanum

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フランスでは、花と見ればとにかくやたら撮りまくっていて、撮った記憶にないものもある。

 

これは、だいぶ前にパリの路上でみつけて何気なく撮ったのだが、古い写真を見直していて発見した。

白い花びらに赤い班。下の方に写っている、ピンクの花もある。その時は気がつかず撮ったのだが、どうもラブダナムらしい。花としてもきれいだけれど、香料植物。

 

ラブダナムはバルサミックでアンバーでレザーでウッディな重い香りだ。


水蒸気蒸留、溶剤抽出があり、採油の方法によって、シストともラブダナムともいう。
アブソリュードもレジノイドもコンクリートもオイルもある。

木からそのまま採ったものは緑色をしている。乾燥させて採ったものは茶色い。
溶剤抽出したコンクをレジノイド、エタノール処理したものをアブソリュー、
水蒸気蒸留したものはシストオイル(エッセンス)、

この枝葉を、一度アルカリで煮込んで採ったらラブダナムと呼ばれるようになる。
煮て、上に浮いてきた香料成分を集めたものをラブダナムレジンとかコンクリートという。

 

それぞれ匂いが違う。かなり違う。私はパワフルなシストが好き。
ちょっと焦げたような甘さがあり、茶色い匂い。

オイルはトップに効いてくる。10%ソリューションを1/1000くらい入れても、はっきりとトップに出てくる。アブソリュードは下の方に効く。

 

こういう素材は、香りに複雑で暖かい混濁さを出す。
透明感のある単純な今の香りにはあまり使われない。

 

▶ 植物事典 ラブダナム Labdanumu ハンニチバナ科 ゴジアオイ属   学名:Cistus ladanifer

 

 

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