パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

「草の実」お花屋さん 雪笹(ゆきざさ)

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JR代々木駅からちょっと入ったところ、明治通りの裏側に、ちいさなお花屋さんがある。いつか紹介しようと思っていたのだが、「草の実」というこのお店は、一見しただけではあまり目立たない普通の生花店だ。でも、揃えてある花が違う。

 

私は週に一回、ここでお花を買う。ブログに載っている活け花の写真は、ほとんどここで買い求めたもの。大手のチェーン店と違って、茶花(ちゃばな)や野の花など、ここでお目にかかれるとは!というものまでマニアックなお花が置いてある。巨大なペンペン草なんかもあった。(もちろん普通の蘭やバラやカーネーションもあるけど)


彼女は著名な華道家、「K」先生のお弟子さんである。(タレントのKさんではない方の)

とても厳しい先生だそうで、花材は「市場で売っているものだけをただ使っていてはダメ。」ということで、自ら山へ行って山野草を採ってくるそうだ。お店の品物にも季節感があるのは、そのせいだろう。

草花や枝物は、そのとき野にあるその組み合わせを採ってくれば、活けた時も自然なまとまりになる。「自分が好きだからおいているけど、こういう趣味性の強いお花はあんまり売れないのよね」と本音もちらり。(いやいや、私がいっしょうけんめい買いますから、がんばってください。)


アトリエの異空間的な雰囲気には、一風変わったお花がとても映える。今日は、「びおうやなぎ」にしようか何にしようかさんざん迷って、まだ緑色の「すぐり」や、黄色の「芍薬」、「ジャーマンアイリス」などを買ってきた。

活ける場所によって、ここにはこれ、あそこにはあれ、とあれこれ話しながら決めていくのが楽しい。奥の方から発掘するのも面白く、ついつい、余計に買ってしまう。(おまけももらう)結局、帰って活けてみると予定の場所には違うものを入れたりして、余ったりするけど、まあいいよね。

と、もうひとつ花器を出す。


上の写真:雪笹(ゆきざさ)

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