パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

カーネーション

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カーネーションは、おもちゃっぽくて匂いの印象は少ないが、実は甘いにおいがする。

 

 

匂いの中心はEugenol(ユゲノール、オイゲノール)。バラの中にもキーとして含まれるし、百合はこれに近い Iso eugenol(イソユゲノール)が不可欠。

ユゲノールがどんな匂いかというと、クローブ(丁子)というスパイスとも、正露丸とも、歯医者さんの消毒のにおいとも言われる。オリエンタルタイプの香水には重要な素材である。


オーソドックスな赤いカーネーションから、今は小さいスプレー咲きのものまで多種多様。ジャコウナデシコという和名からもわかるように、もともとはナデシコの仲間で、いい匂いがするという意味。5枚からどんどん増えてポンポンのようになった、はなびらの先のぎざぎざをよくみれば、確かにナデシコ風だ。

ジャコウ(麝香)はムスクのことで、匂いのする植物にはこの冠が付けられることがあるが、ムスクのにおいがするわけではない。マスクメロンとか、ムスクローズとか、立ちジャコウ草とか。

赤いのもピンクのも昨日もらったので、前よりもっと好きな花になっちゃった。

写真:スプレー咲きの淡いピンクカーネーション。濃いピンクはガーベラ。ほかに、バラとスターチスとかすみ草。

 

▶ 花事典  カーネーションナデシコ科 ナデシコ属  学名:Dianthus caryophyllus.

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