パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

リラの森 セギュール夫人

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私はおとぎ話が好き。かなり好き。(今でも)

「リラの森」(セギュール夫人)は一番のお気に入り。私の中のロングセラーだ。主人公はブロンディーヌという。(髪がブロンドだから)

入ってはいけないと言われていた魔のリラの森に、花の香りに誘われて一歩足を踏み入れると、次々とよりきれいな花が咲いていて、摘んでは捨てて、また摘んでを繰り返すうちに、しだいに奥へと誘われていき、とうとう迷子になってしまう。(だれしも深入りするときはそういったものである)

あらたな出会い、失敗と反省、魔女の誘惑に負け絶望に落されるなどの紆余曲折の末、再びお父様に会うために、いろいろな困難をくぐりぬけ成長していく。最後は仙女の力を借り、勇気と従順さを試されるという試練が与えられる。(こうやって短く書いてみるとありふれたストーリのようだが、そこは情景や描写などで味付けされているので面白い。)

それは大きなカメの背中に乗って6か月旅をするというものだ。その間、絶対に降りてはいけないし、しゃべっても、質問してもいけない。途中でやめることもできない。(その間、眠気や空腹等の生理的欲求は感じないようになっていることについて、疑問をはさんではいけない)

遠くにお城が見えてから、「あれは何?」と聞きたい気持ちをこらえカメの背に乗ったまま、その並木道まで1か月。さらに歩けば10分でついてしまう距離を、15日もかけてのそのそ歩くのをじっと我慢する。その旅をクリアして、やっと終わったと安心した矢先に最後の衝撃が待っている。が、最後はめでたく大団円。(だいだんえんっていうの、知ってる?)

途中が辛く苦しいほど、それにもめげず徳を積むほどに、得たものは価値がある。成功って、ちょっぴり見えかけてからがとてつもなく長い。さらに、手が届きそうになってからがもっともっと長い。でも、待ちきれずにレースから降りることはできない。


子供向けのお姫様ものと馬鹿にしてはいけない。人生の含蓄ある教訓が満載なのだ。

かくしてハッピーエンドを期待して、日々生きているのである。

 

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香りのブログなので、一応、リラの香りについても書いておこっと。
Muguet(すずらん)とも共通するが、Heliotropine(ヘリオトロピン)やアニス、シンナミックとパウダリーなど。特徴はTerpineol(ターピネオール)。白い花はグリーンの香りで、紫は甘くパウダリー感がある。

 

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