パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

オハギ,ボタモチ,OHAGI,Botamochi

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スタッフのH子嬢のお母さまが、手作りおはぎを持ってきてくださった。
 
黒い塗りの箱を開ける。
スタッフから、「わあーきれいー」と歓声があがる。
 
外がもち米で中が小豆のおはぎはたまに見るけれど、これはさらに、ピンクのお花を模したしゃれた作り。
 
お味もあっさりと甘く。ほんのりとした塩味が上品。
ランチの後の満腹でも、別バラとばかりにペロリ頂いてしまった。
 
春のお彼岸は牡丹の季節だから「ぼた餅」、秋は萩の季節だから「おはぎ」、というのが諸説の中で有力のようだ。
 
季節の中で出来た日本の習慣だから、「それがふさわしいし、そうであって欲しいな~」というのが私の気持ち。
 
 
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「では、せっかくのおいしいお菓子なので、今日は抹茶にしましょう」
 
食後にはお薄を点(た)てて順番にいただく。
水屋(キッチン)での立てだしではあるけれど、お濃茶用の抹茶なのでお味はいいはず。
 
 
昔、母が私にお茶をたてながら話してくれたように、お茶の濾し方、茶せんの扱い方など、みんなに説明しながら立てる。
やっぱり、見ると聞くでは大違いだと思うから。
 
 
「お薄をたてるときは、茶せんを椀の底にゴリゴリ擦ってはいけないのよ。茶せんがすぐにダメになってしまうでしょ」
「こうしてね、さっくりと泡立てたら、最後は上の方を軽く捌(さばく)くと細かな泡になるのよ。」
 
「のの字を書いてできあがり。私は裏千家だから全体に泡が覆うけど、表さんは三日月の様に端の方にすっと残す感じ」
 
「やたらとあわ立てるとかえっておいしくないのよ。スフレじゃないんだから」
 
きちんとしたお稽古では無くても、こんな風に日常に楽しめるのが気張らなくていいと思う。
一人でも楽しくて、大勢でもにぎやかな、お茶のひととき。
 
 
 
 
 
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