シデコブシは、マグノリアに似た芳香がある。
ホワイトフローラル特有のクリーミーな甘さと、さわやかなグリーンノート。
マグノリアはモクレン科モクレン属の総称。
モクレン属の花は、みないい匂いがする。
コブシ、ハクモクレン、タイサンボク、ホオノキ、オオヤマレンゲ。
ちょっと縁の離れたカラタマオガダマも、小ぶりだが香りが強い。
コブシやハクレンは純白の花が清らかに咲きほこるのだが、すぐにクリーム色になりやがて茶色くなってしまう。
枯れた花びらが地面の上で朽ちていくさまは痛々しげだ。
しかしそれは空高く生まれて土に還る、輪廻の花にも見える。
よく開いたシデコブシの花の蕊をみると、マグノリアの特徴がそのままのミニチュア版だ。
蕊の写真を撮っていたら、通りがかりのムッシュが、「もっと上のほうの、咲きたての花がきれいだよ」と教えてくれた。
うん、まだ白くて若々しくてきれい。
新宿御苑では日本庭園にある。
中央が薄紅色で、花びらは細くややねじれたように咲く。