パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

水晶文旦(すいしょうぶんたん) Citrus maxima

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前回の記事の続きであるが、六本木一丁目駅であの青い有機レモンを買ったあと、お店をいったんは出たものの、目の隅にはいっていた、隣の大きな柑橘が気になってまた引き返した。
 
水晶文旦(すいしょうぶんたん)と書いてある。
初めて聞く名前だ。
 
 
文旦(ぶんたん)と聞けば、子供の頃のおやつ「ボンタンアメ」を思い出す。
紺色の地に黄色い果実の絵が書いてあり、中はキャラメルのような形と触感。
 
ちっともシトラスっぽくなかったけどな。
むしろ、あのオブラートの味が今では懐かしい。
 
 
さてお店の人にこの大きな柑橘の由来を聞くと、高知県安芸市の、佐古農園のものだという。
 
作り手がわかると、安心感がある。
ひとつ買い求める。
 
 
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翌日、アトリエに持ってきてスタッフのみんなで試食してみた。
 
 
レモンと比べてみると、その大きさがわかる。
水晶文旦はかなり大きい。
 
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ナイフを入れると香りがはじける。
 
外の皮はとても厚い。
しかし、房の中の砂じょう(子袋の中の粒々)はみずみずしく繊細な感じ。
 
 
みため、グレープフルーツのようだが、
香りはグリーン感と酸味が強く、皮にはほんのちょっとユズやサンショのようなスパイシーな感じもある。
 
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スタッフのK君にお願いしてむいてもらう。
房に分けて、とりあえずワイルドにお皿にのせてみた。
 
白いフワフワの皮は苦いので丁寧に取り除かなければならない。
 
 
 
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香りから、食べたらすっぱいのかな~と思って口にすると、酸味はほとんどなく、かといって甘すぎると言う事もない。
 
どちらかというとさっぱりと清々しい味で、
「水晶」という命名が理解できる。
 
 
大きな柑橘は砂じょうが大味で、パサパサのイメージがあったが、水晶文旦はとてもジューシー。
 
「すごくおいしい・・・史上2番目においしい柑橘だと思いました」
とはK君の談。
聞きそびれたが、1番目はなんだったのだろう?
 
 

柑橘王国にっぽん、その種類は豊富だ。

 
 
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