ブラッセリートゥールは、表参道で一番小さいワインバー、なんだそうだ。
上海帰りの元アシR子ちゃんが、表参道ヒルズの裏に引っ越してきた。
その当日、まだ彼女の家もかたずかない中(しかも年末の忙しい時に)「ちょっとご飯食べに行こうよー」と無理やり引っ張り出した私だった。
「さとりさん、私本当にちょっとだけしかいられないんですよ」
「うんわかったわかった」
「何がいいですか-?イタリアンの穴 場がありますよー」
R子ちゃんおすすめの近場のお店ということで、このブラッスリートゥールに来てみたのだが、座れる3階はこの日貸し切り。
うーん残念。
「2階は狭くって、ほとんど立って飲む感じ」だと言うので、諦めていったんは通り過ぎたのだけれど、その近所にあるのは、作られた感の似たような店ばかりで魅力を感じない。
「中華はどうですか?」「今日お昼が中華だったからヤダ」「じゃ、さっきの地下の隠れ家って書いてあったところは?」「なんかやだ、つまんない」ダダをこねる私。
なにやら裏通りの、このちっちゃい店がどうしても気にかかり、「立ち飲みでもいいから、やっぱあそこにしようよー」と引き返す。
狭い階段を上がって、R子ちゃんが先に偵察すると、「だいじょうぶ、座れるそうですー」と言うことで、私も後からのぼっていった。
2階はほぼキッチンとレジに占められて、その前に小さなハイテーブル2つと、板を渡したベンチ、全部でようやく4人が腰掛けられるくらいのちっちゃいスペースがある。
でも、窓は広くて、246(青山通り)が見える。うーん、いい感じ。
入口は裏通りだが、表通りに面しているのだった。
ワインは1杯500円、つまみもみんな500円なので、ちょっと軽く飲みながら食べるのにちょうどいいし、きどらないところがおされ。
お肉の料理や、パスタなんかもある。
この日のワインは赤ばかり。スペインのと、フランスのと、3種類。
写真のではないが、ひとつはTORDEL COLLE RISERVA 2006、
イタリアワインだと思っていたのだけど、スペインのなんだそうだ。
ワインをよく知らなくても、こんなのをお願いしますと言えばいろいろお勧めしてくれる。
ウンチクお断りらしいし、気楽でいい。
この写真は、楽しげなメニューと3階へ上がる階段。右の方にはキッチンが。
お隣の二人のムッシューは常連さんで、おまかせコースを頼んでいた。
3時間もいつづけらしい。
せまいから、自然会話もはずんだりして。
実はこの日、待ち合わせの電話をしている最中に携帯の電池が切れてしまい、R子ちゃんのギャラクシーで写真を撮って送ってもらった。
「さとりさんと会うといつも写真を採らされて・・・、私にこうやって撮れとか、こっちの角度からじゃないとダメだとか、注文がうるさいんですよー」
などと隣のおじさまたちにこぼしながら、撮ってくれたのであった。
「すぐに帰らなきゃ」と言ってたのに、ワインで出来上がった二人は、まだまだ話したくてもう一軒、お茶をすることに。
ここの場所も、酔った目で見るとパリのカフェみたい。
「なるべく、坂の上から下るように撮ってよー。」
華麗な電飾に、日の丸と提灯がミスマッチでおかしい。
年末の表参道、ライトアップ。今年もようやく終わりだ・・・。
暗いニュースも多かったけど、来年は良い年でありますように・・・。