パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

サントノラ島へ一人で渡ってみる③ Cannes Saint Honorat

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サントノラ島、海岸沿いの道を歩く。
あっちこっち、一人気ままに歩いているので、森に行ったり海に行ったり、引き返したり。
 
奇岩の並ぶこの海岸は海藻がたくさん。
まあ、興味のない人にはつまらないかもしれないが、とにかく海藻がたっぷり。
なのに、こっちのひとは海藻を食べないらしい。
 
かわりに、タラソテラピーとか美容や健康には利用しているみたい。
 
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この海藻は髪の毛のように細く長く、そしてフッサフサ。
群生している。
 
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波に揺れるさまはマーメイドの髪の毛みたい。
ちょっと気持ち悪いのと神秘的な「きわ」にいる。
 
思わず、触ってみたくなる。
 
ゲゲゲの鬼太郎で、なんかこんな妖怪がいたような気がするが。。。
 
 
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近寄ってさわってみると、超やわらかい~!
遠くで見ると、細い糸のようだが、こうやって近くで見ると扁平なリボン状だということがわかる。
 
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これはまた別の、カリフラワーのような丸い海草群。
 
まあ、こんな風に海藻ばっかり写真を撮って、帰ってから知人に自慢気に見せたものだから
「島に何しに行ったんだよ」などと笑われる始末。
 
 
 
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ほうらね、こんなふうに海岸にびっしりと揺れている海藻って素敵じゃない?
その先にはなにか、城のようなシルエットが見える。
 
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近づくにつれ、その威風があらわれてきて・・・。
 
 
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と、眺めているときに、きれいな一人旅のお姉さんが
「すみません、私の写真を、あのお城と一緒に撮ってください♪」
と寄ってきてスマホを渡してきた。
 
急に声かけられて一瞬警戒するも、
『でも、きれいな若いお姉さんだから・・・』
 
「はい、いいわよ」
 
代わりに私も自分のスマホで撮ってもらったが、
リュック背負って、顔も日焼けして、なんだかYMCAとかの学生気分!
 
 
 
 
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近くに寄ってみれば、すごくデカい。
下に映っている人間の大きさから考えると、高さ50メートルくらいあるのかな?
 
城ではなくて砦だね。
 
ここは地中海の橋頭保。
窓が少ないのが、戦に備えた建物だとわかる。
 
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ああー、どこまでも青い、碧い空と海。
 
与一「あっしら、いったいどこにいるんでやしょう?」
さとり「青山、表参道じゃないことは確かだね・・・」
 
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廃墟となった建物、鉄骨が入っているのでそれほど古くないのかな?
でも、近くには、大砲の玉を鋳造する炉もあったりして、やっぱり砦の一種なのかも。
 
まあ、島のガイドについては勉強不足だけど、観光に来たわけじゃない。
ここは人生の勉強から逃避する場所だから、ただ通りがかって
「ほおー」とか「まあー」とか、心が動くにまかせてる。
 
 
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小さな入り江で、岩に打ち寄せられた海藻のベッドがあるところを見つけた。
今日は蓆(むしろ)を持ってきたから、ここで一休み。
 
 
近くの波打ち際では子供連れの家族や、お年寄りが水浴びをしている。
私も足を波に浸して、太陽にあぶられながら、読書にいそしむ。
 
 
「さとりさま、こんなところではヴォーグとかマリクレールとか、オサレな雑誌をよんでくださいまし」
「いいじゃあないか、与一、地球の裏側で天下のことを考える、なんてのも」
「さとりさまは最近、安部龍太郎にはまってやすからね、だからかわいくないとか言われ・・・ムニャムムニャ」
 
 
 
 
 
 

グローバルな香水のデータベースサイト「FRAGRANTICA」にパルファンサトリのロングインタビューが掲載されました。日本語にて、あらためて近日中にご紹介いたします。

 

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