パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

南仏便り16 Truffle トリュフ  番外編

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この日、カンヌ最後の日曜日を一人ご飯では不憫に思ったか、世話になっている香料会社の社長夫妻から家のディナーに呼ばれた。
こっちはまだ8時でも明るい。

うっすらと空がすみれ色になるころ、100人のパーティーもできる広いテラスにかわいいテーブルを出して、簡単なそしてとびきりのディナー。

 

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テラスでくつろぐシャネルという愛猫

 

 マルシェの近くなので新鮮な食材がいつも手に入るという。
スターターはサーディンの酢漬け。

本当はすっぱいものも青魚も苦手なのだが、これはうまい。
ほどよい酸味が昼間の汗をすっきりと引かせてくれるみたい。

ロゼを炭酸水で割って、氷を入れて飲む。
そしてサーディンを食べる。また飲む。

 

そこへムッシュー(社長)が何かビニール袋を出してきて、中身を隠し袋の口を緩め

「そらかいでみろ、なんだかわかるか?」

と言うので

『なんだ失礼な。試験か?』と思ったが、ちょっと嗅いで

「あ、トリュフぢゃあないですか♡・・・ズル」

私もトリュフ犬になれそう。

 

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私がトリュフ好きということで、用意してくれた。

冬の間にたくさん冷凍保存しておくらしい。
本当にフレッシュなものを、ただ家の冷凍庫で冷凍するだけ。
味はそれほど変わらない。

こっちでも結構高い。
市場で1kg買って、パリのマークボクストンやクリスシェルドレイクとシェアするんだそうだ。

『ううー、私もその仲間に入りたい。。。』

これは黒いトリュフ。オーク(樫)の木に着くんだそうだ。

先日、「スライスしたトリュフをすっぽん卵雑炊の上にたっぷりかけるとうまい」という話をしたものだから「本場の食べ方はこうだ!」とアピールしたかったらしい。

 

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ここではアツアツのマッシュポテトに塩と胡椒を強めに振り、トリュフをかけて食べるのだ。

「卵なんか使っちゃだめだよ。ジャガイモだけがいいんだ」


横で奥様が
「あら、卵と合うけど。オムレツとか」と激論が。

マダムが盛り、ムッシューが振りかける。
変わったスライサーだから聞いたら、これはトリュフ専用のスライサー。

「こんないいものは日本には売ってない」と言っていたが、いやー今の日本に食の関係で、ないものはないでしょう・・・。

 あとはたっぷりの野菜サラダにオリーブオイルをかけ、混ぜるだけ。

最後は3種類のチーズとまたワイン。

今日はナショナルホリデー(革命記念日)なので10時から花火が海で打ち上げられる。
本当はもっとゆっくりコーヒーでもしたかったけど、「私、花火が好きだから部屋のテラスから見ます」と早々に退散。

食べるだけ食べて、行儀の悪いことだ(笑)

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「最近出番がないでやんすねえ・・・。」

「もう本当はパリに着いちゃったもん。」

「またため書きですか?まだぜんぶアップしていないでやんしょ。」

 

 

 

 

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