パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

ロウバイ,Winter sweet

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蝋(ろう)の花、蝋梅(ろうばい)。
花の少ない時期に、明るい黄色が生命力を感じさせる。

 

 

蝋梅の様子が見たくて来た、1月の寒い朝
冬の荒涼とした景色の中を歩いていると、遠目に蝋梅の木が寒そうに枝を揺らしている。


枯れたように見える灰褐色の枝には、丸い蕾がびっしりとついている。

 

よく見ると1つ、2つとほころび始めていた。

蝋のようなつやのある花に顔を近づけると、甘ずっぱいフルーティな香りがする。
庶民的な、元気のある香りだ。

いつも、毎年、この匂いを吸い込むと
「もう春まで、もう少し」
と心が慰められる。

 

この花は外で見るほうがいいなと思う。

正月明けに活けることが多いが、部屋の中では花はすぐに乾いてカサカサになってしまう。
花入れの下に落ちてしまった花を見ると、

「まだまだ冬だなあ」
とため息がでる。

 

 

 

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