パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ガマの綿毛 Typha latifolia L.

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ふわふわのガマ(蒲)の綿毛。

 

人気(ひとけ)のない池のほとりに立ちガマを眺めている。
氷は縁(ふち)から張ってくる。

水面には固い光がキラキラと反射しているが、ガマの足元は半ば凍りつき、影が青く落ちている。

風が冷たい、冷たい朝。

 

白い綿はちぎれて飛んで、糸の縺(もつ)れのように光の中に浮かぶ。

音もなく。

 

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あえて訪ねるのは、ここにも春が来ると知っているから。
地の中で待つ息吹の証(あかし)を見つけたいから。

 

 

 

 

 

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