パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

一番の紅梅 Plum Blossom

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雨上がりの暖かい朝、新宿御苑に梅の様子を見に行った。
毎年、この時期はつぼみのふくらみ具合をいつもチェックするのが習慣になっている。
 
 
日本庭園の梅林はまだ固いつぼみ。
そこで、玉藻池の小さな梅林へ足を運ぶ。
 
ここでも、ほとんどの梅の木がまだ開く気配もないのに、その中の一本だけが数輪を咲かせている。
 
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一本の梅の木の、さらに一枝のつぼみだけがふっくらと。
 
まんべんなく咲くのではなく、最初の一輪に木のエネルギーを注ぐのだろうか?

 
かわいい、濃いピンクの梅の花
 
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古木の枝ぶり、緑青(ろくしょう)の様にふいた苔のみどり。
梅の美しさは、花だけではない。
 
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そして、香りは甘くやさしい。
 
蝋梅(ろうばい)は、そのフルーティな甘酸っぱさが遠くまで届くほど強いが、梅はもう少しやわらかく、クローブのようなウッディ・スパイシーな甘さがある。
 
そして、紅い梅にはシナモンのようなピリッとした甘さもある。
 
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いつだって、梅の花は高貴な花だ。
 
 
 
 
 
 
 
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