パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

キュウリの漬物 ウンデカベルトール Undecavertol

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キュウリの漬物は、ウンデカベルトールの匂いがする Undecavertol

 
ウンデカベルトール Undecavertol という香料は、明るい黄味がかったグリーン感じさせる、フレッシュなグリーンノートである。香りの中に少し感じられる酸味と塩気が青臭さとあいまって、塩もみしたキュウリや浅漬けを思い起こさせる。
 
 
しかしキュウリの浅漬けは日本の食べ物なので、海外のディスクリプションには、グリーン、ヴァイオレットリーフ(スミレの葉)や、キゥイなどのフルーティノートとされていて、キュウリもみとは書いていない。
 
同じ対象物(ここでは香料)でも、国や人が違うと見え方が違う。それが属性なのかもと思う。例えば、ヨーロッパから見たオリエンタルタイプが、日本では必ずしも東洋的と思えないように。
 
なので「日本らしい香りを作る」というのは「ベタ和」なものを目指すのではなくて、日常の中の感覚にヒントがあると思う。
 
 
 
 
ウンデカベルトールはグリーンノートなのだが、チョコレートの酸味の部分にも感じられる。というか、チョコレートの香りを作るとき、グリーンを少し入れるとよりそれっぽくなる。
 
バイオレットリーフ(スミレの葉)の香料もキュウリ様香気とあげられるが、ウンデカベルトールよりも、もう少し柔らかく、粉を吹いた緑色という感じである。
 
写真は香料とは直接は関係ないのであるが、キュウリの浅漬けの、いかにも瑞々しい切り口が香りのイメージを思い起こさせる。
 
この浅漬けは京都の知人から頂いたもの。真ん中にショウガが入っていて、さっぱりとした酸味が夏には特に嬉しいお味である。
 
 
 
 

 

 
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