パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

サンポール・ド・バンスSaint-Paul de Vence 南仏便り 17

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サンポールといっても洗剤じゃない。今日は予定通り、カンヌからニースに行く道をちょっとそれた山の中にある歴史的な村、サンポール・ド・バンスへ行ってきた。

前知識ほとんどなし。「とにかく、あなたにとってはきっといい場所だろう」というお勧めで来てみた。

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朝9時半のバスに乗る。昨日案内所で、時刻表と運行路線をもらったのでそれを頼りに、あとは乗り換えの駅がきたら、バスの運転手さんに知らせてもらったらいいや、と軽く考えていた。
 
乗るときにもドライバーに再度確認し、このバスでいいことはわかった。しかし、降りるところ教えてと頼んだら、このお方すこぶる冷たくて「ダメ。自分で覚えて降りなさい」と言われてしまった。食い下がり、せめてマップの駅名のところに丸をしてもらう。
しかたないから、一番前の席に座って、止まるたびに各停留所の名前をチェック。アナウンスもないし、誰も降りないと通過してしまうので、油断できない。
5個くらい前の駅から、「次?ねえ次?」と私が聞くので、しぶしぶ「あと3つ」と返事してくれ、降りる時もちゃんと知らせてくれた。

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とりあえず無事到着。といっても、バス停から村まで少し歩く場所らしい。案内所もないし、今いる場所や方角がわからないし、村の地図もどこに書いてあるのか、とりあえず人がいそうな所へ歩いてみる。

 

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ようやくついて、城壁の中に入る。うわー、今住んでいるあたりも古くて素敵だけど、ここは小さいころ読んだ古いお城の絵本そのまんまだ!

 

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青空に淡い色合いの石垣がすっごくきれい。小さな村だが、ほとんどが急な階段で入り組んでいる。

同じ場所を違う方向から何度も上ったり下りたり。だって、来る道が違うとまた景色が変わって、あの角を曲がるとどうなるのかなとか、この階段の先には何があるのかなとか、ワクワクしてしまうから。


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教会のドアが3センチほど、わずかにあいているのに、お姉さんが立ちはだかって中は絶対に見せてくれない。切符を買ってきてと言われて、歴史博物館を見たあと同じチケットを持ってくる。

チャペルはモダンでなかなか素敵だが、もし先にのぞいたら買ってまで来なかったかも。この笑顔は切符を買ってきたあと。とっても感じのいいおねえさんだった。  

 

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サンポールの余分三兄弟。景色を撮っていたら「おれたちを撮れ撮れ」という。
「ここにお住まいですか?」「いやーイタリアからさ」
超フレンドリー。さすがラテンの血は明るいね。


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道端によく咲いている青い花。日本ではブルージャスミンとか言っているようだけど本当はどうなのか知らない。

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ついでに200メートル先というマーク財団美術館へ。村から一度下りて、また結構な坂を登る。200メートルって、どっからどこまでの距離よ。絶対2kmはあるね。初めから知っていたら来なかったな、と後悔するほど大変だ。

 

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ようやく到着。シャガールの大作や、ミロを中心とする現代美術の絵画や彫刻が収集されている。彫刻の森美術館みたいな感じ。

  
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私はあんまり現代美術は理解できないのだが、この広い空間、自然、古い建造物の中にあるから映えるのかな、と思う。

とにかく、この大気になれた体は、エスプレッソとガス入りのミネラルウォーターを求めている。

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車内からの南仏の村の遠景。
帰りは帰りでバスはちょっと心配だったが、なんとか4時にカンヌ無事到着。

 

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 「悪かったよー、よいちー。置いて行ったりして。でももうすねるのはおよし、いくらお前が健脚だといっても、あの山を登るのはちょっと無理さ」

「・・・」

 

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