パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

サフラン saffron

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新宿御苑の帰り道、道路わきの少し高くなったブロック花壇の上に、紫のサフランが咲いている。

少し雨に打たれちゃったのかな?花が痛んでいる。

この真ん中のオレンジの蕊を3本手でつんで、サフランをとる。蕊は本当に軽いし、いくらとっても溜まらない。とても高価なスパイスである。

 

 

なつかしいなあ。

ちょうどこんなふうになった、東向きの盛り上がったうちの花壇の手前にはサフランが植えてあり、秋になると背の低い紫の花が行儀よく並んでいた。

いちおう、しべを採集しようと思って初めは植えたのだが、10球ほどではいくらも集まらない。手も黄色く染まってしまった。

 

ひらいた花の間からは、オレンジ色の蕊が3本、デローっとでていてまるで犬が下を出しているよう。

そのせいでもないのだろうが、イヌサフラン(コルチカム)という名の大きな球根の種類は、土に入れずにテーブルの上に転がしておいても、球根の栄養だけで美しい花を咲かす。

 

春になると、こんどはよく似た白、紫、黄色のクロッカスが芝生の間から一群れ、二群れという風情で生えてくる。
唐突に地面から花がニョキニョキ出てくるような感じもして、あっという間に春が来る。

 

きれいなのに、最後は花は散らずに花びらがくたっと萎れてしまう、そこが残念。

 

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このひと瓶で何輪分くらいあるんだろう。

香りの主成分はサフラナール。サフランを栽培している農家の前を通ると、「ああ、もうサフランの匂いがするから冬だね」などと言われるくらい風物詩なのだそうだ。

 

 

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