パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

調香のはじめ

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さて、前回ご説明したように

 

「調香」は、アコードという作業を繰り返して、小さなイメージのパーツを組み立てて、最終的に30本とか、50本とかの香料を1本に仕上げて、完成のイメージを作っていきます。

通常、調香師が使う単品香料というのは、単独ではよい香りとはいえないようなものが多く、また、名前もなじみが無くイメージがわきにくいということがあります。

そして、アコードを取るという単調な作業は、香りを習い始めたばかりでは、完成までの道のりが長く、作る楽しさがわかりにくいということもあります。はじめから細かいところにとらわれると、香料のことは詳しくなっても、香りのセンスが磨かれません。

そこで、はじめはある程度まとまった香りである調合香料や天然香料を使い、大きなイメージをざっくりと作っていくことで、その楽しさを体験し、どんな香りを作りたいか、というイメージを描くデザインの練習をするのがよいと思われます。

存分に香りを作っていくうちに、少しづつ、もっと細かいニュアンスを正確に表現したいという欲求が出てきます。そうしたら、初めて調香の手順に入っていく時期が来たといえるでしょう。

調香の方法は、道のり=手順が違うだけで、目指す目標=イメージの香りを作ることは同じです。そして、その人の成長段階に応じて、その手順を変えていく必要があるのです。

 

 

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