冬の寒い朝。
ぬくぬくした布団から離れがたく、母親が怒り出すまで這い出ることができなかった、小学生の頃。
大人になって、冷たい池のほとりを好んで見に行くようになるなんて、想像もできなかったな。
頬がピリピリして、芯まで冷えた空気が鼻の奥に入りこんでくる。
木の葉が役目を終えて、森が眠りについたあと。
人のいない冬枯れの新宿御苑で、乾いたガマの穂綿(ほわた)を、風が雪のようにまき散らす。
そこには確かに春があって、夏もあったのだ。
片足で立つ姿は、もう一方の冷たいつま先を引っ込めて、すくんでいるようにも、これから一歩を踏み出そうとするようにも見える。
いつ、歩き始めるのか?
と、思っていたらいきなり飛び立って、のけぞったりする。
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