パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

冬の朝

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冬の寒い朝
ぬくぬくした布団から離れがたく、母親が怒り出すまで這い出ることができなかった、小学生の頃。
 
大人になって、冷たい池のほとりを好んで見に行くようになるなんて、想像もできなかったな。
 
頬がピリピリして、芯まで冷えた空気が鼻の奥に入りこんでくる。
 
 
 
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木の葉が役目を終えて、森が眠りについたあと。
人のいない冬枯れの新宿御苑で、乾いたガマの穂綿(ほわた)を、風が雪のようにまき散らす。
 
 
そこには確かに春があって、夏もあったのだ。
 
 
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5年前の冬に新宿御苑で撮ったこのコサギの写真は好きな一枚。
 
片足で立つ姿は、もう一方の冷たいつま先を引っ込めて、すくんでいるようにも、これから一歩を踏み出そうとするようにも見える。
 
 
いつ、歩き始めるのか?
と、思っていたらいきなり飛び立って、のけぞったりする。
 
 
 
 
 

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パルファンサトリは
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