白樺派の文豪、志賀直哉の居住の跡。
ここは大江戸線の六本木駅から歩いて5分ほど路地を入ったところだ。
こんな都心の、六本木ミッドタウンの裏にあるとは知らなかった。
この道はときどき用事があって通るのだけど、昨日はちょうどキンモクセイが咲いていて、その匂いに誘われてそばに行ったところ、碑が建っていたのに気がついたのだった。
東京にはこうした碑が思わぬ場所にあり、発見するたびに意外な気持ちがする。新宿御苑の千駄ヶ谷門わきにも、ほんの数年前まで新井白石の終焉の家があった。
都内では、いまでこそビルに変わってしまったりしているが、明治・大正・昭和と古い建物があったわけで、こうしたものをみると、それまで歴史の本でしか見たことのなかった遠い人たちが、にわかに現実味を帯びた近しい姿で感じられるものだ。