昨日は十五夜だったから、今日は十六夜(じゅうろくや、いざよい)である。
ほぼ満月に近い。
十五夜より少し遅い月の出なので、それが躊躇(ためら)っているようにいざよう。
ということから「いざよい」となったそうだ。
なんと風情のある言葉。
日本には、月を表す言葉がたくさんある。
行事も、いろいろあるようだ。
それだけ、月とともに生きてきた文化があるのだろう。
新月から二日目の既朔(きさく)、三日月、7日目と21日目は細い弓張月(ゆみはりづき)、十三夜月、小望月、
十五夜の満月からは、十六夜(いざよい)、17日目の立待月(たちまちづき)、18日目の居待月(いまちづき)、19日目の寝待月(ねまちづき)、20日目は更待月(ふけまちづき)、と言う。
立って待ったり寝て待ったり、少しづつ月の出が遅くなり「早く出てこないかな」、という気持ちの表れが感じ取れる。
2011年9月13日夜7時過ぎ。東の空に出てきた十六夜の月。
雲が少しかかっている。
煌々と照らす満月は人々を魅了するが、その明るさはもののけのようでもあり、逆に魔を祓うようでもある。
それにひきかえ、「月に雲」は、景色の変化に趣(おもむき)がある。
「雲がなければ嫌で候」(くもがなければいやでそうろう)
と言った利休より前の茶人は誰だっけ?
この情緒を味わえるのは、日本ならではの感性かと・・・。