パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

中秋の名月 Harvest moon

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2017年の中秋の名月は10月4日。この日、思いついて近所の花屋に赴き、ススキを買う。「鷹乃羽(葉が矢羽のように斑になっている)」は穂がすでに開いていたので、普通のにした。さらに今日は月見だから、月見団子のイメージとして、本当は白いボンボン菊を買うつもりだったのだが、市場から入ったばかりの黄色い菊を勧められる。
 
「そうね、月に見立てて黄色でもいいかな」「あれ?1本でいいの?」「月が3つもあったらおかしいでしょ」などと店主と軽口をたたきながら菊を一本と吾亦紅(われもこう)も買った。「吾亦紅は引き締まったやつにして」などと、こんなちょっぴりの花を買うのに、注文の多い客である。
 
ススキ、吾亦紅といった野の花も、都会では値段がつくから面白いものである。とはいえ久しぶりに花を買ったのでなんとなくウキウキ。アトリエに戻って、たっぷりの水でしばらく水揚げし、唐金(からかね)の花入れに挿してみた。背が高いのでおき場所を探しうろうろとする。白い壁の前に置いた。
 
 
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10月4日が中秋の名月 だが満月 は6日。アトリエの窓から眺めた月。11時ころ、そろそろ仕事を終えようかなと空を見れば、ほぼ南の空に上がっている。
 
 
十五夜 の雲のあそびてかぎりなし」 (後藤夜半) 
 
与一「あれ、十五夜が満月じゃないんで?」 
さとり「月は楕円軌道を描いているので、地球に近いときは早く進むのじゃと。よって満月の時期が十五番目の夜とは限らず、ずれることもあるという。摩訶不思議のことよのう」
 
 
 
 
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月見団子とうさぎ饅頭。花を飾ったり月を見たり、こんな風に歳時記を楽しむことができてとてもうれしい。
 
自分のために時間を使う。冗費でなく、日常のちょっぴりの贅沢が、本当に暮らしを豊かにしてくれるとしみじみと思うこの頃である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
☆「毎朝いただく一服」、お抹茶とお菓子を載せています。
 
 
➤抹茶の香り Hyouge ひょうげ
ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりとした甘さが残ります。
 
 
 
 
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