パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

2011年12月10日皆既月食

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2012年12月10日皆既月食

夜9時30分ごろ、左下にやや影が差している。
部分食の始まり。

月の上に立って太陽をみると、今まさに太陽は地球の影に入り始めるところだろう。
青い地球は、月からは黒くみえるのだろうか? 

 

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地球の影は徐々に満月を侵し始める 。
9時56分。

 

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月食の時間が長いこと、そして影のアールをみると、月にたいして地球がとても大きいことが分かる。

半影食は9時30分ころから隠れ始め深夜1時18分まで、
皆既食は11時5分から58分までつづく。
それだけの時間すっぽりと隠れるわけだ。

 

日食は短くて、小さな月は逆に太陽に呑まれてしまう。

 

 

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月は今まさに地球の影に隠れようとしている。

冷たい空気にさえて、星もよく見える。
オリオン座が手を広げ、月を捧げ持つようだ。

本当は陰になったところも薄く光っているのだけれど、
写真には明るいところしか映らない。

昔見た絵画で、三日月なのに暗い部分がえがかれていたのは、
月食だったのかもしれない。

 

 

 

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天上の赤い月、旅する舟。

 

地球の影にすっぽり入った月は、赤というより杏(あんず)色。
真夜中の空に浮かび上がって、黒い夜の海をしずかに航行する。

 

 

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月食の始まりから三時間、徐々に明るい部分が広がってくる。
まだ地球の影の縁に引っかかっている。

そしてまた月の姿がすっかりとあらわになった。

 

満月は地球の束縛から解放され、太陽に照らされて再び美しく煌々と輝く。

 

 

 

満ちた月でさえ、日の光が届かなくなる時もある。
でもそれは永遠ではなく、やがて去っていく。

 

 

いっぱいに光を浴びて輝く月を見て思う、冬の未明。

 

 

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