パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

群れ咲く水仙 新宿御苑

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群れ咲く水仙 新宿御苑

 

 

年明け今日から新宿御苑が開園なので、水仙を見に行った。

 

 

というか、行ったらたまたま水仙がたくさん咲いていたのだけれど。

 

紅葉はとっくに終わり、梅も、桜もまだまだ先。
冬の時期の新宿御苑は、人が少なくてとっても落ち着くし、大好き。

正月の運動不足も、休みのストレスも、ひろびろした園で植物に囲まれてすっきり気分だ。

華やかな季節ではないけれど、早咲きのカンザクラはきれいだし、びわなんかの冬の花も咲いている。気の早い梅も一輪ふくらんでいたり、発見することが楽しい。 

気温は冬真っ盛りだけど、春を待って木の目が充実しているのがわかると、本当に期待に胸がふくらむ。

 

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まだ、寒そうな裸の枝の下、落ち葉をわけて清楚な白い水仙の群れがあっちにも、こっちにも。
強い香りが漂ってくる。

 

最初の写真、中央の花弁(副冠)が黄色いのは日本水仙
でも、地中海原産らしい。中国を経て、日本へ渡来した。
まだ、そんなに沢山は咲いていない。

 

近寄って香りを吸う。

日本水仙のほうが、爽やかなフローラルで、甘くフルーティが強い。
本には香気成分はリナロール、ベンズアルデヒド、オイゲノール、シンナミックアルデヒドなどがあげられているが、実際にかいだ時の印象はベンジルアセテートのような甘さを感じる。

 

ほとんどを埋め尽くす白い水仙は、ペーパーホワイト。
こちらの匂いは甘さが少なくて、もっとグリーン・アニマルが強い。
インドールやクレゾール的な感じ。

 

花を見て、風に乗ってくる香りなので良いように思うが、
部屋にこの匂いが濃密にたちこめたら、頭が痛くなってしまうだろう。

 

 

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ギリシャ神話のナルシスのように、水仙は水辺にももちろんふさわしいけれど、
花の少ない時期に、冬木立の下草として咲いているのを見ると、心がぱあっと明るくなる。

 

 

 

▶ 花事典 ヒガンバナ科スイセン属(Narcissus tazetta var. chinensis)

 

 

 

 

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