パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

朴(ほお)の花咲く ハナヒラク/香りの記憶、心の旅②

ハナヒラクの中心になった朴の花の香り

朴(ほお)の花咲く ハナヒラク/香りの記憶、心の旅②

新宿御苑の今

おそらく今、新宿御苑には巨大な「朴(ほお)の木」が満開だと思います。
おそらく、というのは今は自粛のため閉園で中に入ることはできないからです。

恋人に会えなくて寂しいような気持ちだけれど、そう考えているのは私の片思いで、朴の花は植物時計に従って、我関せずと静かに咲いていることでしょう。

樹高13メートルもある朴の木は、傘をさしかけるように枝を広げ、常ならばその下には多くの人が立ち止まり、そのボリュームのある白い花を見上げているはずです。

 新宿御苑の朴の木の花

朴の木の生涯

春先、繻子(しゅす)のようにやわらかかった大きな葉は、やがてしっかりと濃い緑になり、その合間から青いつぼみを何十も、何百も顔をのぞかせます。

 

しだいに白くふくらんだつぼみの先が割れ始めると、冷たい薬品の(それはメチルサリレートのような)香りと、開花につれて甘い熟れたメロンの香りがこぼれだすのです。

 

よく嗅げばなかにはホワイトフローラル特有の、こっくりとしたラクトニックな重さを含んでいます。ジャスミン、チュベローズ、イランイラン、マグノリア

 

100年、200年、1000年を経た巨樹は、私たちの人生よりずっと長い。

そして花は毎年、芽吹き、咲かせて、散って、、、循環の中で土になる。生まれ、育ち、死んでいく、いわば1年という短いサイクルでも、生涯を繰り返すのです。

 

マグノリアの白い大きな花

 

春夏秋冬、植物の輪廻(りんね)には、いつも生き方の中心軸があります。 

そんな朴の木の四季をいくつも重ねて、香水「ハナヒラク」の香りができました。

私の今日の旅は、新宿御苑へのピクニック。
家にいながらも、ハナヒラクの香りを嗅ぐたびに、朴の木の周りを歩いている私がいます。


心には壁がなくて、香りは心に翼(つばさ)をくれるから。。。

 

 

どこか行きたい場所はありませんか?

自分の記憶の香りを見つけて、それぞれが自由に飛んでいけたらいいな、と思っています。

 

 

 

 

 

新宿御苑は閉園中ですが、中ではいまこんな花が咲いているようです。

fng.or.jp

 

►朴の花 「ハナヒラク」メーキングストーリー全8話 

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►2012年5月5日 の記事
 
►2011年5月4日 の記事 

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