黄昏(たそがれ)の新宿御苑にて、秋バラの香りを見る。
忙しさに心がささくれてしまい、ちょっと出た用事のついでに新宿御苑の中をとおって帰った。
秋の夕暮れ、空が高くて広くって、ふううーっ、深呼吸。
どこを歩いてもよかったのだけど、ふと、バラはまだ咲いているかな?と思った。
プラタナスの並木が両側を挟む、フランス式整形庭園にバラ花壇がある。
ちょうど秋の日が傾くころ、色とりどりのバラが、遠目にも明るく飛び込んでくる。
どんどん歩く。
数十歩のところで、もう、香りが漂ってくる。
秋は気温が低いから、春に比べてバラは長持ちする。
匂いも、澄んだ空気に凛と張るようだ。
バラのつぼみって、いいなあ。
ロマンチックで、秘密っぽくて。
「じろじろ中まで覗き込むなんて、失礼よ!」
「そんな風に、しどけない風情で誘っていて?」
名前は、フリージア。
名前のようにとってもいい匂い。
黄色のバラは、匂いが少ないと思っていたけれど・・・。
蛍光色のような、鮮やかな朱色。
夕日に照りはえて。
この日、一番のお気に入り、エーデルワイス。
うっすらと光を孕(はら)んだフリルの花弁に、胸がキュッとなる。
きれいなものを見るって、癒される~♡