パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

織部焼(おりべ)Oribe 香合/ incense case 母の茶道④

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これは、織部焼(おりべやき)の香合(こうごう)。
形はギボウシ擬宝珠)、ニ代目池田瓢阿(いけだひょうあ)先生の作である。
 
二代池田先生は十年ほど前に亡くなられてしまったが、籠師(かごし)、竹芸家として作品を作られる傍ら、教室も開いておられていた。陶芸もお好きでよくなされたと聞く。
 
母は長い間、この池田先生に「お籠」の手ほどきを受けており、そのむかし新年会かなにかで、この香合を頂いたものである。
 
 
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先日、お茶を飲みながら織部の話をしていると、母は思いついたように、押入れから織部焼の沓茶碗(くつぢゃわん)とこのギボウシの形の香合(こうごう)を出してきた。
 
「そういえば昔、これ見たことあるかも。」
 
 
沓茶碗の方はあまり感心しなかったけど、この香合は小さくて、丸くて、味わいがあって好きだ
どことなく剽げたところが可愛い。
 
 
なんでも、11月のお茶事(ちゃじ)には、ひとつ織部焼のお道具を混ぜるとよいのだとか。
 
ただし、ギボウシの形のお道具は、お彼岸のときに使うべきものなのだそうである。
ギボウシとは、橋の欄干についている玉ねぎのような形をした飾りである。
(植物については、過去に「ギボウシュ(擬宝珠)HOSTA」で書いているのでそちらを読まれたし)
 
いろいろな決まりごとは、その場面になってみないと話題に登らない。
せっかく聞いても忘れてしまいそうなので、ここに書きとめておくことにした。
 
 
 
 
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