☆ 香水名 Capricci
☆ 発売年 1960年
☆ 香調 フローラルアルデハイド
☆ パフューマー Francis Fabron
☆ ブランド NINA RICCI(ニナリッチy)
Capricci(カプリッチ)は、父への愛情と重なって、私にとって特別なそして初めての香りである。
その日、洋行帰りの父はスーツケースを開け、艶のある包装紙にココア色のリボンの掛かった小さな箱を取り出して見せた。包みをあける私の顔を楽しそうに眺める父の顔と、美しいボトルがフラッシュバックさながらに今も浮かぶ。16の齢から操をたてている、その名の持つ意味が「カプリッチ(移り気)」とは皮肉である。
ニナリッチのカプリッチは、もう廃番になってしまい残念に思っている。ローズとジャスミンの王道アコードにアルデハイドがほどよくて、やみつきになる香り。
ニナリッチと言えば、二羽のハトがあしらわれたのラリックボトル「L'Air du Temps(レールデュタン)」がつとに有名だ。30年ほど前のお土産と言えば、レールデュタンかシャネルの5番が定番だったものだ。
昔のニナリッチの香水は、どれも良妻賢母的な、幸福な家庭のイメージがある。優しく、暖かく、毒のない香り。創業者である息子はきっととてもお母さんを大切にしていたのだろう。
婦人服洋裁師のニナ・リッチと息子ロベール・リッチは、1932年に共同で会社を設立しました。第2次大戦後の1946年、最初の香水「クールジョワ」は、勝利の喜びを表し、続く1948年「レールデュタン」は自由に生きるということを表現しました。