パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ジョンキル 黄水仙

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「ジョンキル!」明るい言葉の響き。

 

 

 窓を開けて、ジョンキルと叫びたい、みたいな。(もちろんサッシ窓を横に開けるのではなくて、こういうやつ↓)

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春のお花屋さんは球根植物がいっぱいで、一年で最も華やかな時期だ。今日はジョンキル(黄水仙)があったので戴いてきた。帰り道、紙で包まれた花に、ときどき顔を埋めながら歩く。

 

黄色い水仙と、黄水仙は違う。ジョンキルは小ぶりの花で、葉も細い。可憐な感じと、ビビットな黄色が春らしくて好きな花だ。

白いスイセンもよい匂いだが、黄水仙はより鋭く強い芳香がある。可愛い姿に似合わず、アニマリックな匂いが強い。戸外で、遠くから漂ってくる程度ならよいが、たくさん活けてそばにいると、弱い人は酔ってしまうかもしれない。

香料もわずかながら採られていて、昔は高級な香水に使われた。香料界ではポピュラーな素材だか、昔は切り花では珍しかった。

 

花ことばってなんなんだろう?と思って調べてみたら

「愛情のお返しを望みます」とか、「愛情の戻ることを願う」とかあった。
翻訳によってずいぶんニュアンスが違う。

最初の方のせちがらさに、「ずいぶんじゃないかい?」と思うのだが、「ナルシス」自体が自己愛(ナルシスト)だからなー。と思ったりもするのだった。

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▶ 植物事典  ジョンキル ヒガンバナ科 スイセン属  学名:Narcissus jonquilla

▶ 成分 Methyl anthranilate,Methyl benzoate,Linalool,Indol,など

 

 

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