パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

ジャスミンサンバック 茉莉花 Jasminum sambac

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ジャスミンの花飾り

 

サンバックジャスミンと言えば、6歳のときの初めてのハワイ旅行。
一般人の外国旅行が許可された年である。


飛行場でタラップを降りると、髪の長いお姉さんが、香りのする白い花のネックレスをかけてくれた。
3日たっても強く香る、その首飾りは「レイ」というのだと教えられた。


バンコクでもレイをもらった。
最近では南国に行ってももらったことがないが、廃れてしまった習慣なのだろうか?

 


このレイなどに使われるのが、サンバックジャスミン

ピカケとも、サンパギータとも呼ばれる。 

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サンバック・ジャスミンは漢名を茉莉花(マツリカ)という。


アラビアジャスミンとも呼ばれ、ジャスミンティー(茉莉花茶)に使われる。
花びらの数が多いし、葉もつややかで厚く丈夫そうだ。


オオバナソケイ(普通のジャスミン)の香料が、下の方にずっしりとした甘さと重さがあるのにくらべ、サンバックジャスミンインドールが強く、トップにメタリックなグリーンがアップしてくる。


昔の香水は複雑な香調なので、ミドルからラストにかけてオオバナソケイの重厚な甘さが合うと思う。
一方、最近の透明感のある香りには、このグリーンアニマルなサンバックジャスミンの方が合うようだ。
チンベロールなどの固いアンバーと共振する。

 


あくまで趣味の問題だが、私はオオバナソケイの方がどっしりしていて好き。
サンバックはやや野卑な感じがする。

 

 


写真は、6月の暑い日盛りのなか、フランスの香料植物園で。

 

 
 
 
 
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